🌱 はじめて「DID」という言葉を聞いた日
「DID(ディー・アイ・ディー)」という言葉を初めて聞いたのは、
Web5の話を聞いて間もない頃でした。
かずくんが穏やかに言いました。
「これからの時代は、“自分の証明”も自分で持てるようになりますよ。」
その言葉に、私は思わず首をかしげました。
「自分の証明を自分で持つ」ってどういうこと?
証明といえば、役所の印鑑証明やマイナンバーカード、保険証のように
“どこかの機関が出してくれるもの”というイメージしかありませんでした。
それを“自分で持つ”なんて、本当にできるの?
正直、最初は半信半疑でした。
でも、かずくんの話を聞いていくうちに、
「なるほど」と思える瞬間がありました。
☕ かずくんの例えが教えてくれた
今までは“身分証”を誰かに預けて使ってたようなものなんです。
Web5では、それを“自分のポケット”に入れておけるようになる。
それがDIDなんです。」
その言葉を聞いたとき、頭の中で小さな灯りがともった気がしました。
“ポケットに入れておける身分証”。
それならなんとなくイメージできる。
役所や会社に「これが本物のあなたです」と言ってもらわなくても、
自分自身が自分を証明できる仕組み。
それがDID(分散ID)という考え方だと、少しずつわかってきました。
🌿 私が感じた“安心と怖さ”
DIDの話を聞いて、私は2つの気持ちが同時にわきました。
ひとつは“安心”。もうひとつは“少しの怖さ”。
安心したのは、
「自分の情報を自分で持てる」という考え方に希望を感じたからです。
これまで私たちは、便利さの代わりにたくさんの情報を
どこかの会社やサービスに預けてきました。
でもその裏で、「本当に安全なのかな」と不安を感じることもありました。
登録した覚えのない広告が届いたり、どこかで個人情報が流出したニュースを見たり。
そんな中で、“自分のデータを自分の手で守る”という考え方は、
とても新しく、そしてどこか懐かしくもありました。
一方で、怖さも感じました。
「もし自分で全部管理するなら、なくしたらどうなるの?」
「パスワードを忘れたら?」
そんな心配も頭をよぎりました。
そのとき、かずくんが笑いながら言いました。
「大丈夫ですよ。DIDは“自分だけの鍵”を使うけど、
その鍵をなくさないようにする“仕組み”もちゃんと考えられています。」
🌼 鍵を“預けない”という自由
かずくんの話では、DIDの仕組みはこうでした。
インターネット上で自分を証明するとき、
これまでは“他の会社”が発行したIDを使っていました。
たとえば、SNSのアカウントや、銀行のログインIDなど。
でもDIDでは、その“IDそのもの”を自分で作り、
その中に「自分が自分であること」を記録しておく。
つまり、**「鍵を自分で持つ」**世界。
鍵はスマホや専用アプリの中に保管され、
自分が見せたい相手にだけ、必要な情報を見せることができます。
それを聞いたとき、私は思いました。
「まるで、玄関の合鍵を自分で配るような感じ。」
「しかもその合鍵は“自分が許可した時間”だけ開くんですよ。」
なんだか魔法みたいだな、と思いました。
🌷 紗代ちゃんの言葉
ある日、紗代ちゃんが私にこう言いました。
「DIDって、難しい言葉だけど、
本当は“誰かに証明してもらわなくてもいい自分”のことなんですよ。」
その言葉に、私はハッとしました。
たしかに、私たちはこれまでずっと
「誰かに認めてもらう」ことで自分の立場を作ってきました。
会社の名刺、職場での肩書き、家族の中での役割。
けれど、DIDという考え方は、
「あなたがあなたであること」を
他人の許可なしに証明できる仕組みなんだと気づきました。
🌈 実際の生活で考えてみた
たとえば、病院で年齢や住所を伝えるとき。
受付の人に全部の情報を見せる必要はないはずです。
でも現実は、保険証に「名前・生年月日・住所・保険者番号」など
すべてが書かれています。
DIDを使えば、
「年齢だけ」「市区町村だけ」など、
必要な情報だけを見せることができる。
それはプライバシーを守ることでもあり、
“自分で決められる自由”でもあります。
「なるほど……」
この仕組みなら、誰かに“全部”を見せる不安がなくなる。
それに、スマホ1つで済むなら、
財布やカードを探す手間も減る。
少しずつ、DIDの便利さと安心が結びついてきました。
☀️ それでも「人」が大切
「技術は便利だけど、人の信頼には敵いません。
でもDIDは、“信頼を助ける道具”にはなれるんです。」
たとえば、これまでネット上で「この人は本物かな?」と不安になることがありました。
DIDがあれば、相手が本当に本人かどうかを簡単に確かめることができます。
それは、ネットの世界に「顔」を取り戻すような感覚でした。
でも、その仕組みを作り、使うのは人。
結局は、“人の温かさ”があるからこそ、技術が生きる。
そのバランスを大切にしたいと思いました。
🌻 DIDがくれた気づき
学びながら感じたのは、
DIDは「新しい仕組み」ではなく「考え方の転換」だということです。
誰かに任せていた“証明”を、自分の手に戻すこと。 他人に見せる情報を、自分で選べること。 信頼を、数値ではなく“つながり”で築くこと。
それは、これまでの“依存”から“自立”への小さな一歩。
そして、それが誰でもできるようになる仕組みが、
Web5やDIDの目指す世界なのだと感じています。
まとめ
DIDは「自分の証明を自分で持てる」仕組み。 鍵を預けず、自分の判断で“必要な情報だけ”を見せられる。 難しそうに見えるけれど、根っこにあるのは“信頼”と“自由”。
私もまだ、使いこなせているわけではありません。
でも、DIDという考え方を知ってから、
“自分の情報を大切にする”という意識が少し変わりました。
誰かにすべてを委ねるのではなく、
自分の選択でつながりを築いていく。
それが、これからの時代の「信頼の形」かもしれません。
👉 次の記事:「VCってなに?──“証明書”がやさしく進化する日」
紙の証明書がデジタルになって、
“必要なことだけ”伝えられるようになる――。
次回は、その不思議で身近な仕組みをお話しします。

