73歳の人物が、朝の時間に現場へ向かっている。
制服に着替え、決められた持ち場に立つ。
利用者の名前を呼び、目線を合わせる。
昔の出来事が自然に話題にのぼる。
同じ年代の記憶が、会話の中に並ぶ。
若い職員が機械操作を担い、
年長の職員が隣で様子を見ている。
役割は固定されず、その日の状況で入れ替わる。
体力の話題が出ることがある。
同時に、経験の話題も出る。
年齢は制限としても、資源としても置かれている。
退職という選択肢は存在している。
それでも出勤という行動が繰り返されている。
多くの人は「理由」を動機に求める。
現場では、必要と応答の往復が続いている。
空いている位置に、人が立つ。
長い時間を生きてきた身体が、
いま目の前の看護を行っている。
過去と現在が同じ空間で重なっている。
働く理由は説明よりも、
配置としてそこにある。
今日もその位置に立っている。
