🌅 一歩を踏み出した朝
その日、私はいつもより少し早く目を覚ました。
まだ静かな朝の光の中で、湯気の立つお茶を一口。
「行こう」――その言葉を胸の中で繰り返した。
紹介してもらった場所。
ただ、そこに集まる人たちが“前向きで、あたたかい”と聞いて、
なぜか心が動いた。
何かが変わるかもしれない。
その思いだけで、私は家を出た。
🚶♀️電車を降りて、案内された住所をたどって歩く。
駅前のにぎやかさが少しずつ遠のき、
住宅と古い店舗が並ぶ静かな通りに出た。
コンビニの上に事務所はあった。
「ここ……でいいのかしら」
少し迷いながらも、私はゆっくりとドアの前に立った。
中から笑い声が聞こえた。
その声に背中を押されるように、私はドアを開けた。
☕ はじめて出会った「かずくん」
入ってすぐ、温かい空気がふわっと流れ込んできた。
木の机、柔らかな照明、
そして何より、人の声のぬくもり。
「こんにちは」
そう声をかけてくれたのが、黒縁メガネをかけたかずくんだった。
彼は少し体格のいい男性で、
初対面の私に対しても、自然に笑顔を向けてくれた。
「わざわざ来てくださってありがとうございます。
ゆっくりしていってくださいね。」
その言葉に、緊張がほどけていった。
「少し勇気を出して来てみました」と言うと、
かずくんは笑いながらこう言った。
「それがもう、挑戦ですよ。」
何気ないその一言が、心に深く残った。
🌿 紗代ちゃんとミータクさん
部屋の奥から、明るい声がした。
「こんにちは!」と笑顔で手を振ってくれたのが、紗代ちゃん。
彼女は30代くらいで、雰囲気がふわっと柔らかい。
人の心を明るくするような笑顔の持ち主だった。
その隣で、「はじめまして」と頭を下げたのがミータクさん。
金髪でメガネをかけていて、物静かだけど丁寧な人。
少し離れた場所から全体を見ていて、
自然に人を支えているのが伝わってきた。
紗代ちゃん:「初めていらしたんですね!来てくれて嬉しいです。」
ミータクさん:「ここは誰でも大丈夫ですよ。すぐ慣れますから。」
二人の言葉に、心が温かくなった。
💬 かずくんの言葉
他にもコミュニティの方達が数人いてお茶を出してくれた。
かずくんが、ゆっくりと話し始めた。
「ここはね、といろんな説明を話して、学んで、考える場所なんです。
年齢も経験も関係ありません。」
その言葉を聞いて、
私は思わず、そんな場所が本当にあるんだと心の中でつぶやいた。
長い間、誰かにそう言ってもらうことがなかった。
「受け入れてもらえた」
その感覚が、静かに心を満たしていった。
☀️ 人の輪の中で感じたこと
その日は特に決まった勉強や作業があったわけではない。
かずくんを中心に、そこにいた人たちが思い思いに話し、
笑い、時には静かに考えていた。
話題は仕事のこと、家族のこと、これからのこと。
誰かが話すたびに、
「それ、分かります」「私もそうでした」と
優しく頷く人がいた。
そこには“正解”も“間違い”もなかった。
ただ人の言葉が自然に流れ、
その中に温度があった。
私は気づいた。
「学び」とは、知識ではなく、
“人と心を交わすこと”なのかもしれない、と。
🌸 挑戦とは「行ってみること」
かずくんが言った。
「挑戦って、特別なことをすることじゃないんですよ。
行ってみる、会ってみる、それだけでいいんです。」
その言葉を聞いたとき、
私は思わず笑ってしまった。
たったそれだけのことが、
どれほど大きな一歩だったか、
自分自身が一番分かっていたからだ。
🌈 帰り道に感じたあたたかさ
帰り道、夕暮れの空は少し赤く染まっていた。
足取りは軽く、胸の中がじんわりと温かかった。
「行ってよかった」
そう心の中で何度もつぶやいた。
不安は消えたわけではない。
でも、不安の中に“希望の種”があることを、
今日、私は知った。
🌷 まとめ
挑戦とは、難しいことではなく“会いに行く勇気”。 人の中に入ることで、心が少しずつ動き出す。 不安の奥には、希望の小さな灯が必ずある。
私もまだ道の途中です。
だからこそ、一緒に歩いていけたら嬉しいです。

